この度、日本橋高島屋美術画廊Xにて個展「Emerge/Unfold」を開催いたします。
壁面作品の新作を中心に、漆に潜在する色彩の生成と展開が造形を生むプロセスに着目し、漆という存在と人の営為とのあわいにある豊かさと可能性を探ります。
暑い日々が続きますが、ぜひご高覧いただければ幸いです。
【会期】2025年8月13日(水)〜9月1日(月)*8月20日は休廊です。
【時間】午前10時30分〜午後7時30分
【会場】日本橋高島屋S.C.本館6F美術画廊X
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このたび日本橋髙島屋美術画廊Xでは、金保 洋展 「Emerge / Unfold」を開催いたします。
金保洋は1991年東京都に生まれ、金沢美術工芸大学で漆を専攻し、2020年に同大学大学院博士後期課程を修了しました。現在は金沢を拠点に、自然素材である漆と色彩の関係性をテーマとした造形作品の制作を精力的に続けております。その作品は、国内外で高く評価されており、2024年には「ロエベ財団クラフトプライズ」のファイナリストに選出されるなど、注目を集めました。また、本年より母校・金沢美術工芸大学工芸科の講師に就任し、創作活動と並行して後進の育成にも力を注いでいます。
金保は、漆が本来備えている「所与としての自然」と、人の手を介して引き出される「工芸的自然」という二重性に着目し、素材に潜在する両者の境界を拡充するものとして、色彩の役割を捉えています。漆を幾重にも塗り重ね、研ぎ出すという触覚的な行為の反復から生まれる色彩と、バイオモルフィックな形態。金保の造形作品は、単なる視覚的表現にとどまらず、積層された色彩と造形の現れを形象化していきます。同時に、作品を通して素材と表現、自然と人間の関係性など、多角的な視点を交差させながら、漆という素材の持つ可能性を拡張しております。
本展では、壁面作品を中心とした展示空間を構成いたします。
ぜひこの機会に、漆の内に潜む色彩が徐々に開示されていくかのような感覚を覚える、漆造形作品の世界をご堪能ください。
髙島屋美術部
[Solo Exhibition Announcement]
We are pleased to announce Hiroshi Kaneyasu’s solo exhibition “Emerge / Unfold” at Nihombashi Takashimaya Art Gallery X.
Focusing on new wall-mounted works, this exhibition explores the process by which form emerges through the generation and unfolding of color latent within urushi (Japanese lacquer). It seeks to reveal the rich possibilities that reside in the liminal space between the natural qualities inherent to urushi and the interventions of human craftsmanship.
We warmly invite you to experience the depth and tactile presence of these lacquer-based works.
■ Dates: August 13 (Wed) – September 1 (Mon), 2025
※Closed on August 20
■ Hours: 10:30 AM – 7:30 PM
■ Venue: Nihombashi Takashimaya S.C. Main Building 6F, Art Gallery X

